追記

 旅立ちから、日光まで一目散という感じですね。
 「室の八嶋」の木花咲耶姫貞操の誓いの話は、「剛毅木訥の仁に近きたぐひ、気稟の清質」の佛五左衛門に、つながっていると見て良いのではないでしょうか。
 曾良ではじまった室の八島の話は、日光の曾良の句と紹介で終わるという、両端に曾良をおいた構成になっているようです。間に、春(花)から夏(緑)への転換という、中仕切りを入れながら。このことは、<室の八島と佛五左衛門>を「つなぎ」として、旅立ち以降の序論と日光以下の本論が結ばれていることを、意味しないでしょうか。