追記〔茶を乞へば・・・〕

二年前は、時間も無く「佐藤庄司が旧跡」の項は、よく読んでなかったのですが、曾良の日記と照合すると不思議なところがかなりありますね。
一つは、日付け。――「五月朔日」
もう一つは、内容。
曾良は、「佐藤庄司ノ寺有。寺ノ門ヘ不入。」と書いて、寺〔医王寺〕には入らず外の石塔や竹を見ただけで、寺の什物については「判官殿笈・弁慶書シ経ナド有由。系図モ有由。」と伝聞形で書いています。
が、芭蕉さんは「寺に入てちやを乞へば、爰に義経の太刀、弁慶が笈をとゞめて、什物とす。」と、飲んでないはずの茶を飲んでいます。「二人の嫁がしるし」は、この日の見聞ではなく翌三日斎川の「次信・忠信ガ妻ノ御影堂」のことです。