《おくのほそ道》元禄二年八月十五日

十五日、亭主の詞にたがはず、雨降。

  名月や北国日和定なき

曾良随行日記)

一 十五日 曇。辰ノ中尅、出船。塔山・此筋・千川・暗香ヘノ状残。翁ヘモ殘ス。如行ヘ発句ス。竹戸、脇ス。未ノ尅、雨降出ス。申ノ下尅、大智院ニ着。院主、西川ノ神事ニテ留主。夜ニ入テ、小寺氏ヘ行、道ニテ逢テ、其夜、宿。

この年の名月は全国的に?、雨月。

曾良は、伊勢長島の真言宗大智院に着く。ここの住職は曾良の縁者(伯父)で、曾良は十代以降をその縁でこの地で過ごし、岩波庄右衛門の名で長島松平藩に仕官していた。

曾良という名前、木曽川長良川に挟まれたこの第二の故郷・長島の地からつくったという話、本当?。