元禄二年八月二十八日〔1689.10.11〕

大垣の庄に入ば、如行が家に入集る。前川子、荊口父子、其外、したしき人々、日夜とふらひて、蘇生のものに、あふがごとく、且、よろこび、且、いたハる。

曾良随行日記)

○廿八日 晴。


めずらしくこの日の動向がわかっています。芭蕉は、宿駅赤坂から金生山(キンショウザン)頂上の明星輪寺に詣でたようです。この寺は持統天皇の時代、行基が開いたと伝えられ本尊は、「赤坂の虚空蔵さん」で有名だそうです。


      赤坂の虚空蔵にて 八月二十八日 奥の院
  鳩の声身に入(しみ)わたる岩戸哉

                    (俳諧漆嶋より)